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毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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「Taxi to the Dark Side」

「Taxi to the Dark Side」を見る。2002年12月1日、アフガンのタクシー運転手ディラウォルがテロ容疑者としてバグラム空軍基地に拘束され、数日後に殺された事件をベースにアメリカ軍の拷問問題を追及したドキュメンタリーだ。2007年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞している。この映画、アムネスティが日本での上映を推奨している。

2002年12月、私はテロ特措法違憲訴訟の原告としてアフガンの戦争被害者を探すべくカンダハールへ行った。その頃カンダハール近辺に米軍の姿はなく、戦争被害は10年前のソ連軍の残していったものばかりが目に付いた。壊れた橋も聞いてみると10年前にソ連にやられたものだったし、一歩道路を越えるとそこにはソ連が残していった地雷原がどこまでも広がっていた。つまり、南部はタリバンの勢力が強く、したがってアメリカの影響力はほとんどなかったのだ。イラクでシーア派を味方にして侵攻したように、アフガンでも北部同盟を味方にして侵攻していったアメリカは表面上は北部同盟の勝利という形で戦争を終結させた。その結果、この映画のように多くのパシュトゥン人がアルカイダあるいはタリバンとしてテロ容疑者の汚名を着せられ収容されることになった。アメリカはテロ容疑者をつかまえるために多額の賞金をかけ、人々の心を狂わせた。米軍が逮捕したテロ容疑者は全体の7%で、残り93%は北部同盟、パキスタン軍が拘束したものたちだという。そしてその多くが一般市民だ。

「対テロ戦争」は金を儲けるための戦争だから、すべて金が支配する。正義という言葉のなんと虚しいことか。。。ハリウッド映画のような9・11映像から始まった「対テロ戦争」は、人々の恐怖をあおり(ファシズムの典型的な手法)、愛国心を掻き立て、敵となる悪人を仕立て上げる。筋書きどおりの話なのに誰もそれに異議をとなえないのはなぜ?こんなバカなことはいい加減にやめたほうがいい。今どきの戦争は何から何まで(基地つくりから傭兵、兵士の訓練、クリーニングから掃除、食事まで)戦争ビジネスが支配している。兵士は金儲けのスケープゴート。チェイニー、ラムズフェルドたちの良いカモだ。おとなしく生け贄になることなんてないのに。

それにしても私がアフガンにいた頃、北部の米軍基地でこんな拷問事件が起きていたとは。。。映画を観ながら自分の無知を恥じた。あのときカンダハールのある南部ではなく北部に行くべきだった。そうしたらアメリカの戦争犯罪がかいま見えたかもしれなかったのに。そこに気がつかなかったのは私の勉強不足。本当に悔しい。
by reem-akemi | 2009-04-13 23:51 | 政治・経済・国際情勢