毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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ハードボイルドな女

桐野夏生作品にはまっていることはどこかで書いたと思う。最初に読んだのは「グロテスク」、それから「OUT」、「柔らかな頬」、「顔に降りかかる雨」、「女神記」、今日「魂萌え」を読み終えた。

爽快な気分で読み終えることが出来るのが桐野作品の魅力。「風と共に去りぬ」の映画のラストシーンによく似た感覚だ。ヒロイン(そう言っていいのかどうかわからないが)が凛として運命に立ち向かっていく姿に共感する。したたかで強く、とても魅力的だ。

で、「OUT」が映画化されていると知り、サイトで検索してがっかりした。なんでこんなに変えてしまうのだろう。私が作者なら怒るね!人間の不思議さ、面白さが削りとられ、主婦4人が殺人事件にからんだ単純なコメディに変わっている。「OUT」に出てくる人間はすべてが底辺で生きていて、しかもどの人間も孤独だ。それぞれが自分の孤独をみつめながら生きている。それを削ったら桐野作品の魅力は何にもないじゃん。

しかも、なんたって、この話は主人公の雅子のクールさと佐竹の異常さの根っこが実は同じだというところが面白いのに。。。そういう複雑な点は省いているようだ。私などこの作品はアラテの恋愛劇だと思ったくらいだ。佐竹が間寛平というのも気に入らない。もっと良い男じゃなくっちゃ!なぶり殺しにした女の思い出を抱いて生きている男はそんじょそこらにいない。正直、私はその描写にぞっとした。そして、ぞっとしつつ生命の根幹をゆさぶられるような感覚を覚えた。Sexの根幹というべきか。。。

雅子と佐竹が戦う場面は壮絶だ。結局、雅子がひそかに持っていた手術用メスで佐竹の顔を切り、殺すのだが、日本の小説で(映画でもいい)、女がこれほどタフになったのは最近のこと。私は自分が弱虫だからこういうハードな女性にあこがれる。人と血みどろで争うなんて、自分には到底出来ないだろうと思う。しかも最後は佐竹から奪った金を持って外国へ逃げる。なんてカッコいんだろう(^^)v

映画の脚本は男が書いているから話を変えたのかもしれない。だって、ハードボイルドな女は男たちの好みじゃないだろうから。
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by reem-akemi | 2009-04-20 19:06 | 日記