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毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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戦争と罪責

野田正彰さんの「戦争と罪責」を読んでいる。以前から読まなければと思いつつ機会を逸していたが、図書館でそのタイトルをみつけ借りてきた。発行が1998年だから、すでに11年が経過している。その間、9・11があり日本はますます戦争へつんのめっていく。政治家の多くが二世・三世となり戦争に対する感覚がまったく異なってきたからだ。

いまさらながら「戦争」を教えてこなかった戦後教育のあり方を問わずにはいられない。「戦争」に対する思考停止状態のなかで、私たちは失われた過去を自分たちの手で拾い集めるしかなかった(「とにかく戦争はよくない」と決めてかかる教育もある意味思考停止状態なのではないかと思う)。私たちは戦争によって何を失ったのか?では平和とは何か?兵士とは何か?さらに、占領と戦争はどう違うのか?これらの課題を若いときからずっと考え続けている。

戦争に対する思考停止は政治に対する思考停止でもある。「忖度」(ソンタク)を図る、あるいは「場」の雰囲気を読む。これが日本社会を生きる術ならなんとも情けない。その結果が自民党政権の存続だ。

この本で、最初に、戦場における軍医の養成方法が出てくる。戦場ではありとあらゆる医術を必要とされる。通常長い時間かけて習得することを数時間で学ぶ。その方法は、中国人を使っての生体解剖だ。街角で拉致されてきた中国人(憲兵たちに拉致される)は麻酔をかけられ、虫垂炎を取られたり(虫垂炎の模擬手術)、腕を切り取られたり(腕をなくした場合の模擬手術)、内臓を取られたり(銃弾を腹部に受けたときの模擬手術)、最後に気管切開をされ、それでも生きている場合は静脈に麻酔薬を打たれ殺される。

怖いのは、生きたまま解剖することに医師たちがまったく罪の意識を感じてないということだ。戦場で兵士の治療をするという大きな目的のため、つまり「大義」のためには人間は無感覚で人を殺せる。誰でもそうなるというのが何とも恐ろしい。。。「人間性の破壊」と一言で言ってしまうにはあまりにも重い。

それにしても、731部隊のことは知っていたが、中国人を使って手術の練習をしていたとは。。。さらに悪いことに軍は生体解剖しながら臓器などを日本の会社に流してもいた。でも、それは日本だけの問題ではないような気がする。

2005年から2006年にかけて、イラクで凄惨な死体がゴミ捨て場や道路に放置されていた。死体には拷問の痕があり、咽喉から下腹部にかけて切り裂かれ、黄色いビニル紐で縫われていた。臓器売買が行われていたのだろうかと疑っている。。。
by reem-akemi | 2009-05-07 09:49 | 日記