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毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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戦争を清算するーイラク開戦から7年 ④

5 「戦争」の検証は国益?

 戦争は人々の生活を根底から変える。家族を失うだけでなく未来そのものも失う。イラク人が再び元の生活を取り戻すには何年かかるのだろう。多国籍軍としてアメリカの戦争を支援した日本も彼らの生活を奪った責任があるが、それをどう償うべきなのか。

 英国の調査委員会はイラク戦争に関わる調査をするが、それはイラクへの謝罪を意味するものではない。紛争に関して将来の外交政策への正しい判断を求めるためのものだと明言している。私はそこに戦争をし続けてきた国家のしたたかさを感じる。イラク戦争を検証することで、過ちの責任をブレア政権に押し付け、現政権は次のステップへ進むための準備をする。謝罪は兵士の遺族のために行なう(重ねていうが、決してイラク国民への謝罪ではない)
 戦争を清算することで、英国は世界に対してフェアな印象を与えることが出来る。そしてイラク政府と新しい関係を結ぶことが出来る。すでに英国の企業はイラク内で原油開発の取引を行なっている。したたかではあるが、それでもこの検証によってこれまで見えなかったさまざまな事実が明らかになるだろう。私はそれに期待する。

 さて、日本でもイラク戦争を検証しようという動きがある。すでに趣旨に賛同した民主党・社民党の議員数名と提案した市民側との勉強会も行なった。
 提起しているのは下記の三項目。

 ①「イラク戦争支持の政府判断に関する見直し」、「自衛隊イラク派遣の判断の是非」、「イラク復興支援への日本の関わり」の3点を検証する独立した調査委員会を政府が設立し、事実関係についての情報開示や調査を行い、個人も含めた道義的・法的な責任の所在を明らかにすること。

 ②調査委員会による検証や、そのプロセス、最終報告などが、最大限公開され、誰にでもアクセスできるようにすること。

 ③検証による最終報告を受けての、日本政府としての見解を国内外に発表すること。

開戦から7年。さまざまなことが少しずつ変わり始めている。

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「市民の意見」に掲載した小論は上記で完結しますが、補足としてイラクの汚染の問題、日本政府へのイラク戦争検証の問題などをこのあと書く予定です。
by reem-akemi | 2010-02-07 09:54 | 小論