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毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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衝撃と畏怖

2005年10月26日

毎日「バグダッド・バーニング」の校正に追われている。続編が11月に出版されるためだ(前作と同じ、アートンから出ます)。

2004年6月から今年の9月までの文章を通して読んで、改めてリバーの文章の持つ言葉の力を感じた。これは翻訳の池田真里さんの力でもあるのだが・・・。
資料をあわせてみたことも勉強になった。

例えば3月における「衝撃と畏怖」作戦。NASAが撮影したバグダッドの4月2日の地図はまさに衝撃的だ。黒いところはバンカーバスターが落ちたところかもしれない。上から下にバグダッドの町の真ん中を縦に走っている。

イラクの友人は3月21日には一晩で200回もの空襲があったと証言している。そのすさまじさは想像を絶する。

「衝撃と畏怖」作戦は徹底的に人心を恐怖に陥らせ、戦う気力をなくすために(その原型はヒロシマ・ナガサキの原爆を受けた日本人)、ありとあらゆるインフラを破壊するものだった。だから市場とショッピング・モールが攻撃を受けた。
そのときの空爆で亡くなった人が10万人と云われている。私たちがハリウッド映画を見るようにテレビ中継されたバグダッドのミサイル攻撃の焔のしたでは10万人という人間が殺されていたのだ。

「バグダッド・バーニング」とはまさに3月20日のバグダッドのことだったのだ。焔に焼き尽くされるバグダッドの街、イラク人の不幸はそこから始まった。

あの戦争がなかったら・・・。イラク人もアメリカ兵も、どれだけ多くの人間の人生が変わってしまったか・・・。

私が支援しているアル・アビル小学校の子どもたちの中に40人の孤児がいる。彼らは今回の戦争で親を亡くしたものたちだ。全校生徒合わせて360人あまりの子どもたち、9人に一人が孤児だ。一体、イラク全体でどれだけの子どもたちが親を亡くしたのだろうか・・・。

さて、今はラマダン。ラマダンがあけるとイードと言って日本でいうとお正月がやってくる。友人はイードのために洋服を子どもたち(孤児)に買ってあげたらしい。イラクは互いが貧しいけれどシェアすることで社会がなりたっている。私がイラクに惹かれるのは、そんな温かみかもしれない。
by reem-akemi | 2005-10-26 01:52 | iraq