毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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崩壊の過程ー本のイメージ

2005年12月18日

私がどのような本をイメージしていたのか?

チームの人がそれぞれ自分のイメージを持っていただろうが、(もちろん編集担当者も)、とりあえず私のイメージを書くと、E.W.サイードの「戦争とプロパガンダ2ーパレスチナは、いまー」(中野真紀子訳 みすず書房)のようにさりげなくそれでいて平和へのメッセージを強く訴えるような本であった。

この本はまずのっけから改行なしで21行進む(はじめの章は「パレスチナに芽生えるオルタナーティヴ」)。次が19行。1ページを越えて改行なしだ。

私は今回の問題が起きるまで「改行」とか「章」をそれほど意識していなかった。書き手の「息」もそれほど考えていなかった。改めて手持ちの本でそれぞれの本の構成を見て、明らかに時代が変わってきたことを知った(それでも頑固に変えていない出版社もあるが・・・)。

この5月にアメリカで『○○○○○』の英語版が刊行された(もともと英語サイトだったから編集が楽であったろうが)。それが今回ルポルタージュ文学賞ユリシーズ賞に入賞した作品だ。
それをアメリカで入手してみたとき、イラク戦争の背景・歴史がきちんと解説されており、その親切なつくりに感心した。

その経験から、今回の本にはぜひ解説を入れようと考えていた。イラクの歴史に詳しい専門家といえば酒井啓子さんをのぞいていない。しかも酒井さんがイラク民衆の味方であることは書かれている内容からつねに推し量られた。そんなこんなで、私は酒井さんに本の解説をお願いするE-mailを送った。素晴らしいことにすぐに返信が送られてきて、「解説」を書いていただくことになった。

本の帯文は、池澤夏樹さんを考えていた。私は彼の簡潔で品の良い文章が好きだった。それよりも何よりも2003年戦争前に刊行された「イラクの小さな橋を渡って」(光文社)に書かれたイラクおよびイラク民衆への気持ちに惹かれていた。
池澤さんにもE-mailにも送り、快諾していただいた。

これはリバーベンドの文章の力のおかげだと私は思っている。酒井さんも池澤さんも本当に素晴らしい人たち。心の底から感謝している。

写真は私が尊敬する(まだ若いが)桑原茂さん。彼とはヨルダンのアンマンで会った。ちょうど日本人人質事件で騒然としていた頃だ。高遠菜穂子さんのことが心配でアンマンに行っていた私にインターネット・カフェで声をかけてきたのが桑原さん。彼はその頃シリア大学でアラビア語を勉強しながらイラクに入る機会をねらっていた。
私は、この本のページに写真を掲載することで彼の仕事が広がりますようにと願っていた。

私の想像では、かなり上質な手元に残しておきたい本が出来るはずであった。
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by reem-akemi | 2005-12-18 12:11 | リバーベンドプロジェクト