毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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出口のない海

2006年09月17日

「出口のない海」が上映されている。
http://www.deguchi-movie.jp/

横山秀夫原作の「出口のない海」を映画化したものだ。
人間魚雷回天に乗る海軍の特攻隊員が主人公。回天とは全長14.75m、直径1mの魚雷に片道だけの燃料を積み敵の船につっこむ海軍版ゼロ戦。

この回天、どんなものか見たい人は靖国神社の「遊就館」を訪れるといいだろう。実物をぜひ見てほしい。
こんなものに人が乗って敵艦につっこんだのかと思うと涙が出てくる。私はその作戦の非人間性にゾッとする。

この映画、まだ観ていないが山田洋次さんが関わっているから愛国的でないだろうとは思うけれど、その死を賛美するようなものにしてほしくはない。

実は、私が戦争のことを考えるようになったのは、高校時代に「我がいのち月明に燃ゆ」(林尹夫著)を読んでから。あぁ、この本をどこにやってしまったのだろう…。林尹夫は京都大学の学生で偵察要員として大阪大空襲の最中、四国沖で米軍の攻撃を受け亡くなる。23歳。

以下は彼の文章を書きぬいたもの。これを愛国的と読んではならないと私は思っている。するべきことをはっきりと受け取ったような気がする。

「断 想」

必敗の確信
ああ実に昭和17年よりの確信が今にして実現する
このさびしさ 誰が知ろう

さらば さらば  みんななくなる  
すべては消滅する
それでよいのだ
いわばそれは極めて自然なる過程ではないか

亡びるものは亡びよ
真に強きもののみ発展せよ
それで よいではないか

しかし我々は盲目だ
ただ 闘うこと それが我々に残された唯一の道
親しかりし人々よ・・・・・闘わんかな

南九州の制空権  すでに敵の手中にあり
われらが祖国まさに崩壊せんす

生をこの国に享けしもの  なんぞ 生命を惜しまん

愚劣なりし日本よ  優柔不断なる日本よ
汝いかに愚かなりとも 我ら この国の人たる以上 
                       
その防衛に奮起せざるをえず

オプティミズムをやめよ 眼を開け
日本の人々よ
  日本は必ず負ける
そして我ら日本人は なんとしてもこの国に 新たなる生命を吹き込み
  新たなる再建の道を 切りひらかなければならぬ

若きジェネレーション
 君たちは あまりにも苦しい運命と闘わなければならない
 だが 頑張ってくれ

盲目になって 生きること  
それほど正しいモラルはない
死ではない 生なのだ
モラルのめざすものは そして我らのごとく死を求むる者を
インモラリストと人は言わん

男たちはどう思うかも知れないが、私にはあまりに悲しい文章。
この絶望の深さ…、二度とこのような絶望を若者に与えてはならない。特攻作戦を考え、多くの若者を死に追いやりながら、自分はのうのうと生きたものたちの責任を、やはり問うべきではないだろうか。

人間魚雷回天は誉めるべきものではなく、あってはならないものとして多くの人の記憶にとどめておく必要があると思う。

#林尹夫については、「特攻隊員」として書きましたが、「203号系統」さんから指摘をいただき「偵察要員」であったことが判明、訂正させていただきました。「203号系統」さん、ご指摘ありがとうございました。
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by reem-akemi | 2006-09-17 02:17 | 日記