毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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蟻の兵隊

「蟻の兵隊」を観た。
http://www.arinoheitai.com/

衝撃的だったのは、渦中にいると自分のしていることが見えないという事実。例えば、初年兵の訓練の一環として縛られた中国人を突き殺すのだが、自分自身は必死で記憶が乏しく、客観的にそれらの行為を見た中国人の証言を求めて過去の殺人現場を歩く。中国人を殺した当事者でありながら証言を聞くという奥村氏に違和感を抱かずにはいられなかった。

違和感はいたるところにあり、どうしてもわからないので岩波ジュニア新書(「私は『蟻の兵隊』だった」奥村和一・酒井誠著)を買って考えることにした。

私は1995年に北京女性会議のおり、中国の老人ホームを訪れ、お年寄りたちから日本軍の蛮行についての証言を聞いた。この証言と奥村氏の証言とは一致する。日本軍がしていたことは作物を強奪すること、婦女子のレイプ、暴力、殺人などなど―これは日本軍だけの問題ではない。同じことを米軍はイラクで行なっているから。

その証言を聞いたあと、盧溝橋のそばの戦争博物館で、私は周囲の中国人に自分が日本人であることを知られないようにと願ったものだ。それほど残虐なことを日本軍は中国で行なっている…。

人を殺していない私でさえ中国人の反応が恐かったのだから、中国人を殺した人が恐れの気持ちを持たずに殺人現場を歩くことが出来るのだろうか?それが理解できなかった。でも、本を読むとやはり奥村氏は恐怖を抱きながら現場に向かったようだ。結局、映像だけで(その人の表情から)人間の心を理解することは私にはちょっと難しい。

後半で、靖国で演説をする小野田さんが登場する。奥村氏が小野田さんに向かって「侵略戦争だと思わないのか?」と問いかけると、小野田さんは見たこともないような顔で激しくどなりつける。非常に印象的なシーンだ。

一昨日、慰安婦の世界連帯行動があり青山のちょうちんデモに参加したが、いつものように右側の人たちがほんの少し来ていた。10人に満たない、年代にして50代から70代の男たちであるが、トラメガ片手に一生懸命に女たちのデモを煽ろうとしていた。それにしても良い年をした男たちがわぁわぁとわめくさまはあまり格好のいいものではない。

私などは、自分の生き方を真摯にみつめる奥村氏のほうに共感を抱く。殺すほうより、殺されるほうが悪いとか、盗るほうより盗られるほうが悪いなどという理屈がまかり通る軍隊はどう考えても間違っている(この理屈に正当性を持たせるために、日本軍では古参兵がわざと新兵の荷物を隠したりして訓練するというーーーーなんともやりきれない)。
泥棒と人殺しを推奨する軍隊はいらない。これが私の結論だ。
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by reem-akemi | 2006-08-12 01:35 | 日記