毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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カテゴリ:NHK問題( 10 )

恥知らずな判決

2008年06月16日

6月12日、NHK裁判の最高裁判決が出た。本来ならヨルダンにいるはずの私だったが関西空港で思いもかけないアクシデントがあり、日本にいたおかげでこの恥知らずな判決を聞くことが出来た。47席という小さな法廷に100名近くの傍聴人がおしかけ、最高裁の庭にはクジ引きをするための列が出来ていた。松井さんも聞きたいだろうと思い、私は彼女の形見の赤いネックレスをして列に並ぶ。居並ぶ懐かしい顔…。

7年前の01年1月、この裁判の発端となった日のことを私は昨日のことのように覚えている。暴力と戦争に満ちた20世紀が終わり、21世紀こそ希望に満ちた世界に変わるものと期待していたが、2001年は新自由主義と国家主義が力をつけるために結びついた、その分かれ目だったに違いない。

国家権力を裁く民衆法廷は「民主主義」が社会に行きわたっていてこそ理解されるものだと今さらながら思う。それは国家による裁判を否定するものではなく、社会が健全に動いていくために行われるオルタナティブな法廷と理解されるべきだが、6月12日の判決は民衆法廷という思想そのものをも否定して、侵されることのない権力の威信をみせつけた。

では、この7年間の裁判が無駄だったかというと、そんなことはない。法廷でこれまで知ることの出来なかった真実が語られた意味は大きい。01年1月の終わり、NHKで何が起きたのかを私たちはこの裁判によって知った。一部の国家主義者に翻弄されるNHK幹部の行動はシェークスピアがもし生きていたらさぞかし面白い芝居にして見せてくれたに違いない。組織に抗うことの出来ない人間の弱さを見る一方、自らの良心にしたがって行動する人間の気高さも教えてくれた。

本来、「放送法」とは権力からメディアを守るために働くものだが、6月12日の判決はその「放送法」を司法が貶めた結果となった。というのは、判決にいたる理由を「放送法」に求めたからだ。「放送法」を侵したのは誰か?と私は裁判長に問いたい。

6月12日、横尾和子裁判長は主文だけ読んで法廷を去った。まったく誠意のない態度だ。主文にいたる理由を読む義務があるはずではないか。私は翌日最高裁のサイトで判決文を読んで、判決文全体を知ることが出来た。

裁判長は以下のような意見を述べている。
「私は,多数意見の結論に賛成するものであるが,その理由は,判示第2,2(1)に関しては,多数意見と異なり,事実についての報道及び論評に係る番組の編集の自律は取材対象者の期待,信頼によって制限されることは以下の理由により認められないとするものである。取材対象者が抱いた内心の期待,信頼は,それが表明されないままに取材担当者が認識できるものではなく,また,取材の都度,その内容や程度を確認することも報道取材の実際からして期待できるものでもない。
 それにもかかわらず,期待,信頼を確認せずに番組の放送をした場合に,その内容が期待,信頼と異なるとして違法の評価を受ける可能性があるということであれば,それが取材活動の萎縮を招くことは避けられず,ひいては報道の自由の制約にもつながるものというべきである。
 また,期待,信頼を保護することの実質は,放送事業者に対し期待,信頼の内容に沿った番組の制作及びその放送を行う作為を求めるものであり,放送番組編集への介入を許容するおそれがあるものといわざるを得ない。」

 私たちはメディアを信頼して取材されるが、メディアが悪意に満ちた報道をしたとしても司法は「報道の自由」という理由で、私たちの権利を守ってくれないということをこの判決は表している。しかも悪いことに権力の介入については一言も触れない。

だが、国家権力に偏ったこの司法の姿勢がどこまで通じるのだろうか?健全な批判精神こそが今こそ必要だ。この判決は時間の経過とともに「もっとも悪い判例」として残っていくに違いない。伊達判決が「もっとも優れた判決」として私たちの心に残っているように、私たちはこの判決がいかにひどいかということを語っていくだろう。それがこの判決を生かす方法だと私は思う。
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by reem-akemi | 2008-06-16 09:10 | NHK問題

NHKの民事督促

2006年10月25日

NHKの民事督促が効を奏しNHK幹部は大喜びだとか。
http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200610240350.html

NHK、支払い再開・契約4倍 受信料「督促」が効果
2006年10月24日

NHKは24日、今年度上半期(06年4月~9月)の受信料収入が、施行予定額を45億円上回る3015億円だったと発表した。今年度予算の受信料収入は前年に比べて8%、額では538億円減の5940億円と見込んでいた。

 NHKによると、受信料契約を結びながら不払いとなっていた件数が、今年3月末の359万件から9月末には348万件に減ったのが、回復傾向の要因という。

 今月5日には、不払い者に対しては民事手続きの「督促」に踏み切ることも表明。その影響で、今月の支払い再開や新たな受信契約の届け出が前年同期の4倍(1万6768件)になったという。

だが、このような「恫喝」で受信料収入が増えたからと言って、それが本当に喜ぶべきことなのだろうか?
私の耳に入ってくる受信料の取立てはサラ金の取立てかと思うほどのひどさだ。ある人は「裁判所に行くか!」と怒鳴られたという。

なぜこんなひどい徴収をしているのか?NHKは受信料の徴収の民間委託を10年ほど前から行なっている。結局それら委託会社は歩合制を社員にとっているため視聴者に対しての取り立て方も、回収さえすればいいという方向に流れていくのだろう。

中には、わからないことをいいことに、言葉にならないほどひどい契約をされている人もいる。つまり衛星テレビもないのに衛星契約をさせられていたりするのだ。

民間委託会社は東京方面はクルーガー。
http://www.shigotonavi.co.jp/order/order_detail.asp?OrderCode=J0030376
関西はシーズと聞いたがインターネットで「シーズ」を検索してもそれらしい企業が見つからない???

いずれにしてもNHKは大変な資金を導入して受信料の回収を行なっている。
この督促、東京のあと八王子、神奈川へと拡大していくらしい。それもこれも2008年からの受信料義務化へのNHKのやる気を政府に見せているのだろう。

一方、政府は北朝鮮に向けて拉致問題の国際放送をNHKに行なわせようとしている。これは「特定失踪者問題調査会」(荒木和博代表)が北朝鮮向けに流している短波ラジオ放送「しおかぜ」への支援のためのもの。
今まで「しおかぜ」が行なっていたことをNHKがその代わりに行なうのだ。
その昔、米軍向けにプロパガンダ放送をしていた東京ローズ(つい最近亡くなった)がいたが、国策により「皆様の」NHKもついにプロパガンダ活動をするのだ(メディアがそういう側面を持っているのは否めない事実だけど…)

と言いつつ、でも、待って。NHKは国営放送だったの?

そうじゃないでしょ。政府が放送内容をNHKに強要するのは放送法違反。それぐらいの見識は持ってもらいたい。でも、無理かもね、なんせ政権の中枢はアベシンゾーだもん。あのオチョボグチでNHKを脅したことを忘れない。

NHKさん、自らの自律はきちんと守りましょう。ついでに民間委託で弱い者イジメをするのもやめましょう。
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by reem-akemi | 2006-10-25 00:31 | NHK問題
米軍再編について書きたいのだけど、急を要することが入りましたので、それを書きます。

明日31日、NHKへ人事異動に対する抗議声明を手渡すことになりました(以下、参照)。
ついては、これに賛同する方を募集しております。
ともに抗議してくださる方は31日午前9時までに以下へメールをお願いいたします。

shiharaiteishi@yahoo.co.jp

以下、引用。
*********************************************************************

2006年5月31日
抗議声明

NHKによる永田浩三氏、長井暁氏の報復的人事異動に強く抗議する

 NHKは5月26日に発表した幹部職員の人事異動に紛れて、ETV番組への政治介入の実態を告発、証言した永田浩三氏、長井暁氏を番組制作現場からはずす異動を強行しました。

これについてNHKは、この人事異動を「処罰的なものではまったくない」と説明しています。しかし、この件には、さる3月30日の参議院総務委員会で山本順三議員が、ETV番組の改ざんをめぐってVAWW-NET JAPANがNHKほかを訴えた裁判の口頭弁論でNHKの公式見解を覆す証言をした永田氏とETV番組への政治介入を告発した長井暁氏を名指しして、橋本会長らに両氏の人事上の処分を迫った経緯があります。

 もともと、証人として口頭弁論に出廷し、事実を曲げた証言をすれば偽証罪に問われる立場に置かれた永田氏がNHKの公式見解と食い違っても、自己が真実と信じたことを証言するのは証人としての当然の義務であり、永田氏の証言の信憑性を判断するのは裁判官であってNHKや政治家ではありません。

 そもそも、永田氏の証言、長井氏の告発は長期間にわたる葛藤の末に、番組制作に携わる報道人の良心に従って自らが知った政治介入の実態を告発したものです。

NHKがこうした証言、告発を行った永田、長井氏に対して山本順三議員が教唆したとおりの人事上の処分を強行したことは、NHKが繰り返す「自主・自律」がまやかしであること、NHKが政治家にお伺いを立てる体質にいまなお深く染まっていることを如実に示したものといえます。

したがって、私たちは永田浩三、長井暁両氏に対して報復的な人事異動を行った橋本会長はじめNHK理事会に強く抗議するとともに、NHKに対し内部告発者を保護する制度の確立を要求します。

以上

(注)賛同者は別紙のとおりです。
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by reem-akemi | 2006-05-30 22:02 | NHK問題
NHKが、またも自民党の圧力に屈したようです。

緊急な情報が入ってきたので急遽アップします。

本日の夕方、NHKの人事異動が発表されますが、NHK裁判でNHKにとって不利な証言をした永田、長井両氏がこの異動の対象になっており、しかも本人たちの意思とは反対に制作現場からはずされるという情報が伝わってきました。

先にも朝日新聞で報復人事ともいえる本田記者の異動があり、山本順三議員が国会で、NHK橋本会長に朝日新聞と同じような処罰を示唆するような発言をしています。

まさに、それに答えたNHKの報復人事と言っても過言ではないでしょう。

良心に基づいて証言をした人間が、その証言のために不利益をこうむることはあってはならないことです。

NHKが権力に弱いことはわかっていたが、ここまで腐っているとは…。
私たちはこのような不正義を許していいのだろうか?

NHKへのメールはここへ
http://www.nhk.or.jp/plaza/

なお、NHK受信料支払い停止運動の会の代表として、以下のような申し入れ書をさきほど橋本会長あてに送りました。
***********************************************************************
2006年5月26日

NHK会長 橋本元一 様
NHK理事 各位

 永田浩三氏、長井暁氏に対する不当な人事異動を止めるよう求める
緊急の申し入れ


                      NHK受信料支払い停止運動の会
                     共同代表 醍醐 聰、 細井明美


 この数日の間に私たちが得た情報によれば、NHKは本日、発表する幹部職員の人事異動の内示の中で、VAWW-NET裁判の公判でNHKの主張と異なる証言をした永田浩三氏とETV番組への政治家の介入を告発した長井暁氏を番組制作現場からはずすという不利益な異動が実施される恐れがあるとのことです。
 この問題については、さる3月30日に開催された参議院総務委員会におけるNHK予算審議の場で、山本順三議員が両氏の人事上の処分を迫る質問をしたのに対して、橋本会長が「この職員についての人事上の扱いについては、適切に対処したい」と答弁された経緯があります。
 こうしたやりとりについて、当会は去る4月12日付けで橋本会長に対して申し入れ書を提出し、その中で次のような見解を示しました。
 1.国会審議の場で、係争中の裁判の公判で証人が行った発言について国会議員が予断を交えた言及をするのは、司法に対する行政の不当な介入であり、厳しい批判を免れないこと。
 2.永田浩三氏、長井暁氏の人事上の処分を迫ったに等しい山本議員の発言は放送法第3条で禁じられたNHKの自主自律に対するあからさまな干渉であること。

 こうした見解を踏まえて、当会は橋本会長に対し、政治家の不当な干渉におもねって、永田浩三、長井暁両氏に人事上その他の面で不利益な処分を一切しないよう申し入れました。
 そもそも、永田氏の証言、長井氏の告発は長い期間にわたる苦渋の末に、番組制作に携わった報道人の良心をよりどころにして行われた公共放送の使命を守るがための訴えです。NHKが組織防衛的な発想から、こうした良心の訴えを押さえ込み、処分の対象にするとしたら、NHKの良識に対する視聴者の信頼が大きく崩れることが必至です。
 私たちは、橋本会長ほかNHKの全理事の皆様に対して、永田、長井両氏に対して、今回、定期的な人事異動を隠れ蓑にした事実上の「報復人事」を行うことがないよう改めて強く申し入れます。
 万一、こうした申し入れを無視して、永田、長井両氏に対し、不当な人事が強行された場合、私たちは当会の賛同者、先に行った「受信料督促ホットライン」でつながりを持った視聴者、その他全国の視聴者に呼びかけて、強力な抗議行動を起こす決意でいることを通告します。

以上
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by reem-akemi | 2006-05-26 15:33 | NHK問題

永田氏の証言:まとめ

永田さんの証言をメモを元にまとめました。
文中は「私」として永田さんが言われたように書きましたが、あくまでもメモを元に書いているので正確な言い回しではありません。

証言は先にも書きましたが、NHK、ドキュメンタリージャパン、VAWW-NET、裁判所からの質問に答える形ですが、私は以下に書くのはVAWWの証言のみです(それだけで24日から30日に行なわれたことを知るのは十分かと思います)。

特筆すべきことは、26日の試写では野島氏は何も言わなかったのに29日に安倍氏と会ったあと態度が豹変したことです。さらに30日には伊藤氏が海老沢会長に会ったあと、元慰安婦・元加害兵士の証言が削除され、伊藤氏が「自民党は甘くなかったわ」と発言していること。

永田氏も長井氏も26日試写された44分映像がもっとも基本に沿った作品だと思うと述べています。

では、26日にどのような基本路線が確認されていたかというと、
① 各国で起きていた「人道に対する罪」について問う
② 慰安婦の問題がなぜこれまで未解決の問題であったのかというのを問う
③ 国際的に国際戦犯法廷がどのように取り上げられたのか。アジアのメディアはどう取り上げたのかというのを問う

このような問題意識のもとに出来たものであった。20世紀最後のときに、このような視点で女性の暴力に対する取り組みを記録として残すことに何の問題があるのだろうか?本当に残念だ。

以下は証言のまとめ
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・1月26日の試写について。
(1月26日の試写会の出席者は、松尾、伊藤、野島、吉岡、永田、長井の6名)。

1月26日の試写の内容は、素材が間に合っている部分と未撮の部分と両方ありました。冒頭から細部にいたるまで、中味について私のメモを見ながら納得していく場でした。素材の部分には加害兵士、元従軍慰安婦の証言の場面が入っていました。

吉岡部長以下全員(番組制作の担当者という意味)が基本方針について合意したものを試写したのが26日の映像。すでにある素材を並び替えるという作業なのでテープの架け替えが必要でした。みな、ひどいものを見せられるのでないかと想像していましたが、そうではなかったという受け止め方だと思います。26日の試写のあとで野島さんはダメだという発言はしませんでした。話にならないという発言もしませんでした。

しかしこれ以上もめるのがイヤなので29日に再度1本にまとめたものを試写すると私が提案しました。
伊藤、松尾、野島3氏から29日の試写まで決定を留保するという話も、26日の試写のあと変更もありうるという話もありませんでした。
女性法廷に反対の立場の人の意見を入れるという連絡が来たのが1月26日午後5時半頃。伊藤さんから吉岡さんに連絡がはいりました。

・野島の試写の参加について。
野島さんに会ったこともなかったし、試写の現場にそういう他部局の偉い人が来ることは今までなかった。そういう違和感に加えて国会担当というのはNHKの中でも特別な存在なので違和感がありました。それぞれ部署には専門性があって、制作現場にそういう部署は普通は関与しません。しかし、当時はそのことがどれくらい特別なことなのかという認識を持っていませんでした。

・1月27日のこと
想定される質問などの資料を作成してました。意識としては政治家だけに説明する資料をつくっているつもりはありませんでしたが、政治家に説明することもありえると思います。
番組放送前に伊藤局長の部屋で若手議員の会の本を見せられました。伊藤さんは放送後と言っていますが、私の記憶では放送前です。

1月26日に伊藤さんの部屋に呼ばれました。伊藤さんはこの本を持って、「読んだことある?」そして最後の名簿のところを示して、中川昭一氏を指差して「言ってきているのはこの人たちよ」と言いました。いろんな形で意見をいうのは珍しいことではないので、そうなんだろうと思い、(私は)伊藤さんは毅然とめげずに放送を出すんだと受け止めていました。

・1月28日のこと
 秦教授のところへ収録に行きました。吉岡さんから最終的なOKが出て(44分版)、これ以上の大幅な手直しはないと思っていました。一般的に30日の放送であれば、むしろ遅いほうですが、みなイレギュラーなこととして受け止めていました。29日に試写があるので若干の手直しはあっても、尺をいじるということはあり得ないと思っていました。

・1月29日のこと
(夕方試写が行なわれた。伊藤、吉岡、松尾、野島、永田、長井の6名。)
 松尾さんはコートを着たままあわただしく部屋に入ってきました。試写が終わって野島さんが「全然ダメだ、話にならない」と言いました。当時はなぜとは思いませんでした。後日それを承服しがたいことと思ったが、渦中にあるときは思わなかった。吉岡さんが「やっていられない」と発言。「なぜ今さらそんなことをいう」と現場の気持ちを代言していたので、同じように振舞えなかった。本当は怒るべきだったのだと思います…。

 検討は伊藤、野島、松尾、吉岡の4氏が行い、具体的な修正の指示を野島さんが隣のソファーで行ないました。吉岡さんは局長室で荒れていました。野島さんは台本を見ながらひとつずつチェック。途中から吉岡さんが合流しました。

・野島氏とのやりとり
 今から切るところを伝えるからと。議論するのではなくそのとおり書き写してほしいということで「伝える」感じでした。慰安婦はすべてビジネスでという言い方をしました。私は「それは言えない。正確なコメントにしたい」と言いました。野島さんは納得してくれました。

 40分を切ってしまうので秦教授の部分を追加。内海愛子教授のコメントをはさむ形で秦教授のコメントを入れるとき、野島さんは「毒を食らわば皿まで」と発言。

 変更箇所は
①慰安婦、慰安所の存在を出来るだけ薄くする。
②戦後の日本政府の対応を出来る限り取り除く。
③法廷を肯定的に評価しているゲストの証言や専門家の証言・コメントをとりのぞく。
④日本政府・天皇の責任について認定しているというくだりとそれの根拠にあたる国際法の専門家の証言をとりのぞく。

その後、台本を示しながら変更点を長井さんに伝えました。

・1月29日 疲労困憊して帰宅(誰かが寝ていないと作業できないので帰宅)。

・1月30日
 ダビング・収録が終わってから、松尾さんから吉岡さんに電話が入りました。松尾さんの部屋でのやりとりについては吉岡さんから聞きました。伊藤さんが「自民党は甘くなかったわよ」と言い、松尾さんは「経営判断だから、議論している場合じゃねぇ」と変更を指示。吉岡さんは編集のし直しが起きたと苦渋に満ちた声で伝えてきました。

 とにかくなんとかしなきゃと思って松尾さんの部屋に行きました(松尾、伊藤、野島3氏がいた)。そのときは良いとか悪いとかでなく、全体があり得ないことだと思っていました。なぜこの後におよんで根幹のところ[註:元兵士および元慰安婦の証言]を切るのかと聞きました。こんなことをするとNHKが深手を負うことになると。

 放送人というより、人間としてやっていいことと悪いことがあると思いました。我々放送に携わる人間を律しているルールはいくつかあるが、もし2つあげるなら、ひとつは真実を追究する不断の努力。それが当たり前のこととしてあって、私はそれを大事にしてやってきました。2つめは声をあげられない人のことを我々は大事にして、立場の弱い人のために放送があるんだと思って信じてやってきました。その二つに照らし合わせみて彼らのいうことには信憑性がないということでしたが、それをご本人の前でそのことを言えるのかと、今でも言えるのかと言いたい。
 やはり弱い人の立場にたってやる仕事というのを根本的に毀損する判断だったのではないでしょうか。
 番組の責任は自分がとるからと松尾さんは強調されました。伊藤さんは泣きそうな顔で黙っていました。野島さんは「君がマジメで一生懸命なのはわかった。でも決まったことなのだ」といいました。

 VAWWにその説明をするという話はありませんでした。放送後、タクシーの中で泣きました(無念の気持ちで泣いた)。ここまですさまじいことを経験したことはなかったし、出た番組が痛ましいことになっていたこともあります。
 放送全体のコメントはしにくい。私の体験でいえば悔いの残る体験でした。

・長井さんの会見について
 長井君が語った中味もそうですが、このことについてそこまで自分のこととして受け止めて勇気を持って記者会見した事実に驚きました。政治家の一連の介入が取り上げられた時期に、4氏が集まって話し合ったことですが、野島さんが松尾さんに「安倍のところに行ったのは呼びつけられたのではなく、こちらから出向いたことにしよう」と言って、松尾さんが「よく覚えてないということでどうだろうか」と答えたと聞きました。あまりにNHKの見解と違うのでみんなが驚きました。大事なことなので真実を追究してもらいたい気持ちでいっぱいです。

 5年の歳月のなかで記憶が書き換えられたことは私も含めてありうることだと思いますが、私がここで述べていることについては、一生忘れられないという出来事に基づいて話しているので何度聞かれても同じことを言うしかないかなと思っています。

 3つの台本の文言が何度も書きかえられ、それがさらされて、番組の責任者としてコメントしなければならない立場というのが非常につらくて、本来ならばそういう事態にならないですむものならそうであってほしかった。時間は戻ってきませんが出来ることなら5年前に戻りたいなという気持ちです。

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by reem-akemi | 2006-03-25 09:14 | NHK問題
今日はNHK裁判・永田浩三氏(元チーフプロデユーサー)の証人尋問があった。
私は1時ジャストに到着。すでに傍聴券の抽選が始まっていてアウトの状態。知り合いの記者(A紙)の顔を見つけてそばにいったら余分に傍聴券が入手できたら1枚くれるとのこと。「あらうれしい♪」と待っていた。さすがメディアは違う。必要な人数の倍の人をゲットして傍聴券を入手した。私はいただいた貴重な傍聴券を手にして裁判所に入る(^^)v

今日は①NHK、②ドキュメンタリージャパン、③VAWW-Netジャパン、④裁判所の順番で尋問があった。

NHKを守ろうとする弁護士はかなり損な役回りといえる。なぜなら組織の論理で動こうとしない人に組織の論理で向かっても無駄だから。長井さんといい、永田さんといい、彼らを支えているのは「良心」。こうなると何を聞いても人間の良心の強さが光ってきて、弁護士の愚かさ(組織を守ろうとする)が浮き立ってくる。

裁判がこんな面白い人間ドラマだとは思わなかった。
ヘタなドキュメンタリードラマよりずっと感動的だ。

詳細な報告は後日行なうとして、私の永田陳述の感想だが、永田氏がこよなくNHKを愛していること。自分の仕事に誇りをもっていたこと。それがムザムザと踏みにじられた悔しさ。などなどが手にとるようにわかって、こういう素晴らしい人材を失った今回の事件はNHKにとって本当に大きな損失だなぁとつくづく思った。(彼はNHKを辞めたわけではないが心に大きな傷をつくっている)

彼は、伝聞には触れず、自分の見たこと聞いたことだけを証言した。私たちはこれら証言にたった人のあらゆるデータを総合して、いかに2001年1月29日に異常な改ざんが起きたのかがわかる。

2000年は日本の防衛・軍事を考える人たちにとっては大きなターニングポイントだったのかもしれない。女性たちがしかけた慰安婦裁判にあれだけの妨害があったのは、たとえ小さな民衆法廷でも日本の戦後責任を追及されることが不利になると判断したからだろう。
ましてや、それをテレビで放映するとなると、その影響力の大きさに無視することが出来なかったのかも。

私たちは戦後民主主義の良い点(?)を受けて、天皇制とは無縁の中で育ってきた(国歌を強制しだしたのも最近のこと)。だから長井さん、永田さん、そして吉岡部長がマジメに「人道の罪」に取り組んだ気持ちがよくわかる。「人道の罪」の概念こそ第二次大戦後世界が勝ち得た戦争に対するリベラルな発想といえるから。

おそらく当時のNHK幹部の誰もが29日までは、この問題の持つ意味の大きさを理解できていなかったのではないだろうか。

私は天皇制を維持し支え続ける人々は2種類あると思っている。ひとつは、天皇の「権威」を借りようとする人たち。これは織田信長等過去の歴史上の人物もやってきたことで、戦前の軍事政権もそのひとつ。もうひとつは「天皇教」の人たち。天皇を純粋に神として崇めている。こういう人たちにとって天皇を裁判にかけるなど論外。どこの世界に神を裁判にかけるものがいるだろうか?私は天皇を神と崇めている人たちに何も言うことはない。だって誰を崇めようとそれは個人の自由だから。でも、それを他人に強制しないでほしい。ましてや国の政治と宗教は別のものなのだから、政治に関わるべきではない。

多くの人々にとっては、天皇は「権威」の象徴ではなく、もっと親しみをこめた存在なのではないだろうか。そのほうがきっとうまく行くだろうに、それを無理やり「権威」を持たせようとするから、あちらこちらにねじれが生じる。

NHK改ざん事件は戦争大好きな人たちが戦争の準備をする途中で起きた「小さな芽から摘み取ろう」作戦だった?これは私の想像だけど…。
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by reem-akemi | 2006-03-23 09:16 | NHK問題

NHK ETV2001

2005年11月03日

女性国際戦犯法廷のビデオあるいはDVDを見たことがあるでしょうか?
私は今日、イラクで女性の権利を守りたいという人に送るためにVAWW-Netジャパンから寄付してもらったDVDを観ました。そこから見える「女性国際戦犯法廷」は、人道に対する罪から照らして日本の慰安婦制度がそれに該当するかどうかという、今の世界の流れから見ても非常に大切な意味をもった取り組みでした。一部の政治家(安倍、中川、その他自民党議員)が不真面目に言っている、「天皇有罪」だけを強調したものではありません。

さて、それを観てから録画してあるNHKのETV2001「戦時性暴力を問う」を観ました。残念ながら、NHKの映像では、法廷の主題がまったくわかりません。それはあの番組の方向性がメチャメチャだからです。あるときは法廷を評価し、次の瞬間無意味だといい、何を言いたいのかまったくもってわからない番組になっています。

それに比べて次の日の「国際公聴会」の映像は、今も続く女性への暴力がいかに悲惨であるかをしっかりと伝えていました。どうしたら暴力のトラウマを越えることが出来るのかをわかりやすく表現して、とても心を打たれました。
であるからこそ、第2夜が本当に残念です。

法廷が伝えたかったことは、天皇が「有罪」であるということより、システム化された戦時の女性への暴力は戦争犯罪であるということ、それだけだと思う。
「天皇」を守るためにあらゆる手段を使って映像をズタズタにした安倍・中川は本当に愚かな政治家だとしか言えない。

そんな愚かな連中が閣僚になった。。。

安倍は女性に人気があるという。
一体、あんな男のどこがいい?
バカバカしい・・・。
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by reem-akemi | 2005-11-03 01:42 | NHK問題

NHK問題その後

2005年09月18日

9月20日、NHKから新生プランが発表される。

2005年09月16日共同通信配信

◎「自主自律」の決意を表明/新生プラン案の全文判明/NHK、20日に発表へ(65行)
 一連の不祥事を受けNHKが策定中の「新生プラン」案の全文が十六日、明らかになった。受信料に支えられた公共放送として「自主自律」を貫く決意を表明。全職員の約一割に当たる千二百人の削減を打ち出す一方、受信料不払いに対しては法的措置を取る姿勢を明記している。揺れ続けてきたNHK改革の基本方針がようやく固まった。
 二十日に最高意思決定機関である経営委員会の議決を得て、橋本元一会長が発表する予定。これを基にNHKは来年一月、二〇〇六―〇八年度の経営計画をまとめる。
 プラン案は、公共放送の使命は「何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、放送の自主自律を貫き、(視聴者の)判断のよりどころとなる情報や豊かな文化を誰にでもわけへだてなく提供すること」と指摘。
 「広告収入でも税金でもなく、視聴者に受信料を広く負担していただいているからこそ、視聴率や特定の主義主張にとらわれずにニュースや番組を送り届けることができる」と強調している。
 事業運営の柱としては、災害報道や教育、福祉番組、視聴者が議論に参加する番組など「NHKだからできる放送」を追求すると約束。
 また、〇六年度から三年間で全職員約一万一千七百人(今年三月末現在)の約10%を削減し、教育テレビの終夜放送を見直すなど、「組織の改革、スリム化」を進めるとしている。
 さらに、不払いや未契約の視聴者が説得に応じない場合は、簡易裁判所を通じた「支払督促」などの「民事手続き」を検討し「公平負担に全力で取り組む」と明示。他方で、単身赴任者や学生向けの受信料割引制度を検討し、口座振り替え利用者や長期契約者を優遇する方針も明らかにしている。

◎予断許さぬ信頼回復/法的措置取れば論争も 
(55行)
 NHKは十六日判明した「新生プラン」案で「『すべては視聴者のみなさんのために』という公共放送の原点に立ち返る」と決意表明した。だが、受信料不払いへの法的措置は論争を招く可能性もあり、不祥事で失った信頼を回復できるかどうか予断を許さない.


 プラン案は、商業放送(民放)や国営放送と異なり、公共放送が存立するには受信料が不可欠と強調し、「自主自律」の堅持を掲げた。
 NHKの独立性については、一月に報道された従軍慰安婦番組の改編問題で、あらためて論議を呼んだ。不払い増加の一因にもなり、局内からも「政治と距離を置く」との宣言を求める提案があった。プラン案は、こうした声に応えた形だ。
 ただ、その表現は既存のNHK倫理・行動憲章などに類似しており、視聴者を納得させられるかは未知数だ。
 またプラン案は、大規模な人員削減で自ら血を流す一方、有料契約対象世帯数の四分の一に及ぶ受信料の不払いや未契約に対しては、最終的に法的措置で支払いを強制する意思を示した。
 しかし、支払督促は、いったん契約して不払いに転じたケースには適用できるが、未契約には使えず、かえって不公平感を助長する恐れがある。もし正式裁判になれば、受信契約を義務付けた放送法についての憲法論争にもなりかねない。減収を食い止める有効な手段になるのか、疑問視する法律家もいる。

NHKの自主自律を私は信じたいと思う。二度と政治権力の介入を許してはならない(NHKはそのことを決して認めないが・・・)。
国家が暴走したとき一体誰が止めるのだろうか?私たちは健全なメディアが存在することを希望する。
事実を事実として伝えてくれることを望む。

放送法でメディアが守られているのは他でもない、国民の知る権利のためだ。
第三帝国下、ドイツ国民はナチスが何をしていたのか知らなかったという。ナチスが真っ先にしたことは報道を官制下に置くこと。同じように日本軍は大本営発表という形で誤った戦争報道を行ってきた。

NHK番組改編問題でNHK担当者が行った行為がいかにひどいものかを多くの人が知るべきだと思う。野島担当局長が自民党の若手議員の会の歴史観にあわせて番組を編集したことは許されるべきではない。

その行為を示唆した政治家がポスト小泉として政権を握ろうとしている。よく調べもせずに二言目には「北朝鮮」のことを言い、まるで正義の政治家のごとく振舞っている。
NHKを脅したNという政治家も今回北海道からまた選出された。
このような「恫喝」を政治手法にする政治家をこのままにしていいのだろうか?
NHKも決して良くない。しかし「恫喝」する政治家のほうがもっと悪い。民主主義は永田町にはないの?頂点にいる首相が「恫喝政治」を行っているくらいですものね。
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by reem-akemi | 2005-09-18 00:40 | NHK問題

朝日新聞取材拒否に思う

2005年08月05日

自民党が朝日新聞の取材拒否を行うという。先のNHK報道について資料の流出の疑いがあるゆえの”報復”行為(?)と思われる。

問題の月刊「現代」、魚住昭氏の「証言記録を入手ー『政治介入』の決定的証拠」を読む。
インタビューを再現した文章はさすがに迫力がある。これを読む限りでは、NHK松尾氏のウソ、中川議員のウソ(恫喝政治?)がとてもよくわかる。
権力におもねるNHKもNHKだが、私には政治家の傲慢さが鼻につく。小泉政権の特徴でもあるが、この頃の政治家は恫喝することが政治的手腕だと思っているらしい。
これじゃあ、ヤクザと変わらない。

取材拒否は党が行う”恫喝”だ。懲罰と言ったほうがいいかしらん。今、イラクでは懲罰が大流行。言うことを聞かないイラク人は懲罰によって刑務所にひっぱられている。日本も同じ。

言うことを聞かないメディアは取材を行うことが出来ない。でも、一体それでいいのだろうか?
政権を握るものはいつでもチェックを受ける立場にあるのだということを忘れないで欲しい。

私たちには政治家がどのような政治を行うのかを「知る権利」がある。
自民党さん、問題を摩り替えないでください!
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by reem-akemi | 2005-08-05 00:29 | NHK問題

動きだしたNHK問題

2005年07月27日

7月20日、NHKは東京高等裁判所に「ETV2001番組改変問題」に関係する5人(松尾元放送総局長、野島元総合企画室担当局長、伊東律子元番組制作局長等)の陳述書を提出した。
そして同じ日に、NHKのサイトで「編集過程を含む事実関係の経過」という一文を掲載する。

7月22日、これをもとに毎日新聞はNHK改変問題に際し、どのようなことがあったのかを報道。非常に興味深い記事であった。

7月25日、朝日新聞は2面見開きで「NHK番組改変問題報告」として、この間の取材の総括を載せている。

これら3つの報告を詳細に読むといろいろなことが見えてくる。
ことの発端は、1月25~26日にNHK総合企画室職員が「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」に所属する古屋圭司議員らを訪れたことから始まる。

ここで職員は、議員たちに「NHKがこの法廷を特集すると聞いているがどうなっているのか」「予算説明のさいに説明できるように用意しておいたほうがいい」と示唆される。

同じ頃、「日本政策研究センター」はNHKに放送中止を求める。
また、「日本会議」の小田村四郎副会長らも片山総務相に番組内容のチェックを申し入れている。

職員の報告を受けた野島担当局長は松尾総局長に相談し、翌26日、野島氏同席の上で編集途中の番組の試写が行われる。

このあと、法廷に批判的な学者の意見を入れるという方針で修正することを決める。

27,28日に右翼の街宣車がNHKを囲み、メンバーが乱入する騒ぎが起こる。その日、総合企画室から安倍晋三議員への面会申し込みがあり、1月29日松尾総局長と野島担当局長が首相官邸へ安倍議員を訪ね、番組の説明をする。
(これ以降、右翼のNHKへの攻撃はない)

1月29日、2回目の試写が行われるが、野島氏からの「これでは全然ダメだ」という発言で再度の修正が行われる。伊東、松尾、野島の3氏で決定した変更内容は次のとおり。

①日本国および天皇に責任があるとされる判決内容の紹介を削除
②女性法廷をラッセル法廷と同等の存在のように評価する部分を削除
③海外メディアの報道で判決内容や日本政府の責任にふれているものを削除
④日本政府の関与をのべている部分を変更
など。

この変更および削除を野島氏は直接永田CPに指示する(番組制作に関係のない野島氏が指示した理由に疑問の声をあげるNHKスタッフもいる)

こうして、番組は「若手議員の会」の歴史観に沿うものに修正される。

これが大きく変更された第1回目である。

1月29日、海老沢勝二会長は番組の説明を受け、「慎重にお願いしますよ」と伊東氏に話す。
会長室から戻った伊東氏は松尾氏と相談し、次の修正を行うことを決定する。

①元日本兵の証言を削除
②元慰安婦の証言を削除

法廷の核となる証言シーンはこれで大きく変わることになる。これが第2回目の大きな変更だ。

このようにして出来上がった番組(通常より4分短い)は1月30日夜に放映された。

こうしてみると、ひとつの番組が特定の歴史観を持つものたちの圧力により、次第に形を変えてしまっていく事実に驚かされる。
NHKがあまりに権力に擦り寄りすぎ、過剰反応をしてしまったのか?

権力のいう「中立」がどのような意味を持つのか、過去の反省も含めてNHKの経営者には考えてもらいたい。
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by reem-akemi | 2005-07-27 22:42 | NHK問題