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by reem-akemi
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動きだしたNHK問題

2005年07月27日

7月20日、NHKは東京高等裁判所に「ETV2001番組改変問題」に関係する5人(松尾元放送総局長、野島元総合企画室担当局長、伊東律子元番組制作局長等)の陳述書を提出した。
そして同じ日に、NHKのサイトで「編集過程を含む事実関係の経過」という一文を掲載する。

7月22日、これをもとに毎日新聞はNHK改変問題に際し、どのようなことがあったのかを報道。非常に興味深い記事であった。

7月25日、朝日新聞は2面見開きで「NHK番組改変問題報告」として、この間の取材の総括を載せている。

これら3つの報告を詳細に読むといろいろなことが見えてくる。
ことの発端は、1月25~26日にNHK総合企画室職員が「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」に所属する古屋圭司議員らを訪れたことから始まる。

ここで職員は、議員たちに「NHKがこの法廷を特集すると聞いているがどうなっているのか」「予算説明のさいに説明できるように用意しておいたほうがいい」と示唆される。

同じ頃、「日本政策研究センター」はNHKに放送中止を求める。
また、「日本会議」の小田村四郎副会長らも片山総務相に番組内容のチェックを申し入れている。

職員の報告を受けた野島担当局長は松尾総局長に相談し、翌26日、野島氏同席の上で編集途中の番組の試写が行われる。

このあと、法廷に批判的な学者の意見を入れるという方針で修正することを決める。

27,28日に右翼の街宣車がNHKを囲み、メンバーが乱入する騒ぎが起こる。その日、総合企画室から安倍晋三議員への面会申し込みがあり、1月29日松尾総局長と野島担当局長が首相官邸へ安倍議員を訪ね、番組の説明をする。
(これ以降、右翼のNHKへの攻撃はない)

1月29日、2回目の試写が行われるが、野島氏からの「これでは全然ダメだ」という発言で再度の修正が行われる。伊東、松尾、野島の3氏で決定した変更内容は次のとおり。

①日本国および天皇に責任があるとされる判決内容の紹介を削除
②女性法廷をラッセル法廷と同等の存在のように評価する部分を削除
③海外メディアの報道で判決内容や日本政府の責任にふれているものを削除
④日本政府の関与をのべている部分を変更
など。

この変更および削除を野島氏は直接永田CPに指示する(番組制作に関係のない野島氏が指示した理由に疑問の声をあげるNHKスタッフもいる)

こうして、番組は「若手議員の会」の歴史観に沿うものに修正される。

これが大きく変更された第1回目である。

1月29日、海老沢勝二会長は番組の説明を受け、「慎重にお願いしますよ」と伊東氏に話す。
会長室から戻った伊東氏は松尾氏と相談し、次の修正を行うことを決定する。

①元日本兵の証言を削除
②元慰安婦の証言を削除

法廷の核となる証言シーンはこれで大きく変わることになる。これが第2回目の大きな変更だ。

このようにして出来上がった番組(通常より4分短い)は1月30日夜に放映された。

こうしてみると、ひとつの番組が特定の歴史観を持つものたちの圧力により、次第に形を変えてしまっていく事実に驚かされる。
NHKがあまりに権力に擦り寄りすぎ、過剰反応をしてしまったのか?

権力のいう「中立」がどのような意味を持つのか、過去の反省も含めてNHKの経営者には考えてもらいたい。
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by reem-akemi | 2005-07-27 22:42 | NHK問題