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毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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Last of Iraqis ターゲットは歯医者

2007年10月10日

昨日に続いて「Last of Iraqis」をアップします。ムハンマド君は沈着冷静の人のようです(英語ではモハメッドと書いてあるけど、アラビア語読みのムハンマドで表記しました)。

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2007年10月9日火曜日
ターゲットは歯医者

昨日の朝、いつものように出勤し、クリニックのビル(政府系)に入り、いつものように同僚とおしゃべりをした。仕事が午前9時に始まるので、早く出勤した場合は皆でおしゃべりに興ずるのが常だった。
午前8時40分のことだ。大爆発が起きた。すべてがいつもと何も変わらなかったのに、ビル全体が地震のように大きくゆれた。ガラスの割れる音、カーアラームの音にまじり、ほこり・煙が充満し、続いて空からたくさんの破片が降ってくる音がした。それは部局の天井と停車中の車を打った。しばらくして、恐ろしいほどの沈黙が起きた。車のアラームだけが鳴り響いている。
沈黙は数秒だったにも関わらず、何年ものように感じてぞっとした。同僚の顔は誰もが同じように青ざめていた。その表情から、皆が何を思っているかは一目瞭然だった。そして一人がジャンプして嬉しそうに言った;「生きてる。神様、感謝します。爆発は近いに違いない」
彼は正しかった。クリニックのゲートで爆発したのだ。僕たちがターゲットだったのか、それともゲート?ほかの誰か?爆弾は入り口のドアにすえてあった。警備員が50メートルしか離れていなかったのに、彼らはどのようにそれを置いたのか?いつ爆弾を置いたのか?
僕たちは何が起きたのかを確認するために走った (クリニックは大きな家を改造したもので、それぞれの部屋が部局になっている)。僕の部屋は通りからいくらか離れていた。何があったかを見るために僕たちはクリニックのドアに行った。すべての歯医者と看護婦がそれぞれの部屋からドアに向かった。

走っていると足の下でガラスの壊れる音がした。生きていることがなんとありがたいことか、と僕は思った。床にちらばった破片とたちこめる煙で、僕は負傷者か死者が出たのではと心配になった。

僕たちはドアに着いた。全員、爆弾が爆発した場所を見ながらそこに立っていた。僕はすぐに訊ねた。「けが人は?」一人の警備員が答えた。「ありがたいことに誰も殺されませんでした。警備チーフが頭にかすり傷を負いましたが」様子を診たかったので、僕は彼が今どこにいるのかを尋ねた。
彼は頭を打って警備員室にいたが、たいしたことはなかった。

誰も死なず、負傷者もいなかった。天の恵みだ。爆弾の前に車が停まっていた。それらの車が衝撃と破片を吸収したのだ。車たちがその日失われたかもしれない幾人かの人命を救った。爆弾に使われた破片をチェックして、それが小さな箱爆弾だということがわかった。それは僕たちを恐がらせ、脅すためのものだ。多くの人間を殺すためのものではなかった。しかし、それはクリニックの入り口のドアに置かれたのだ。殺そうと思えば、彼らは簡単にそれが出来るということだ。安全な者は誰もいないし、他の者の安全を誰も保証できない。現場を検査した後、ガラスと破片はきれいに掃除された。何事もなかったかのように、すべてが通常の状態に戻った。
僕は何枚かの写真を撮った。そして僕たちはなぜ爆弾がそこにあったのかを皆で話し合った。僕たちを脅かすため?その日は治療がなかったので、早く帰宅した。

今日はいつものように働いている。僕たちはいつものように患者を治療している。すべてがいつもどおりだ。壊れたガラスと爆発の破片で壊された数台のエアコンを除いて…。
ここに、爆発の後に撮った勇敢な車の写真があります!警備員室と爆発現場も。

ムハンマド@午前2時5分

#写真はオリジナルサイトを参照してください

(翻訳 細井明美)
by reem-akemi | 2007-10-10 00:32 | iraq