毎日思うこと、感じることを日々の時間(とき)の中で綴ります


by reem-akemi
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2007年 12月 17日 ( 1 )

2007年12月17日

「市民の意見」105号に掲載した私のエッセイ「ベイ・エリアの平和運動にふれて」を一部加筆してアップします。

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・メイキング・ア・キリング

  サンフランシスコはアジア人にとって居心地の良い街に違いない。入管手続きをする職員の顔を見てそう確信した。ほとんどがアジア系なのだ。空港全体にニューヨークで感じたような威圧感がない。街全体に流れる自由な雰囲気と人々の温かさ、何より環境に配慮した政治センスがとても良い。
 街には空港からサンフランシスコ市内を通り、リッチモンドあるいはピッツバーグなどへ行く「バート」と呼ばれる高速車両が走っている。「バート」は自転車に乗ったまま乗れるので、人々は自転車で(車を使うことなく)どこまでも行ける。また、バスの前方にも自転車を載せる設備があり、バートと同じように自転車での移動を簡単にしている。CO2の削減、原油高という昨今の環境問題、エネルギー事情を考えたとき、交通機関のこんな工夫は学ぶべき点ではないかと思えた。

 私が泊まったのはバークレーの隣町オークランド。宿の主はマイ・ステラというチュニジア人を父にベトナム人を母にもつ混血女性。彼女は自分の寝室を私に提供し、自分は恋人の家に泊まっていた。恋人はマレーシア人の小柄なイケメン(元女性)。マイ・ステラは身長170センチ以上のたくましい体格の持ち主で、両肩から二の腕にかけて見事な刺青が入っている。ある日二人はサンフランシスコの集会に出かける私を車でバートの駅まで見送ってくれた。何気なく二人を振り返ってみると、小柄なイケメンの彼がマイ・ステラに羽交い絞めにされて歩いていた(笑)。
 また、私が借りていた寝室の向かいの部屋の持ち主はオルタナティブ・メディアに勤めるニューヨーク出身の白人(元女性)。電話の声は女性なのに、私と話すときは低めの男性の声に変身する(!)。彼も小柄ながらマッチョな人で、いつも忙しそうに走り回っていた。笑顔がチャーミングな、これまたイケメンの人だった。

 ある日、私たち(今回の旅行の仲間たち)は「メイキング・ア・キリング」という芝居を観に行くことになった。場所はサンフランシスコ市内の公園。小高い芝生の丘から見下ろす形で芝居小屋がしつらえてあった。私たちは芝生の上にシーツを敷き、チーズや野菜・ナッツ類をひろげ周囲の人々と談笑して芝居が始まるのを待った。
 「メイキング・ア・キリング」とは「殺人」という意味だけでなく「金儲けをする」という意味もあるらしい。つまり戦争で金儲けをする人々のことを指している。誰を指すかは言わずと知れたこと!芝居はチェイニーとコンドリー・ザ・ライス(俳優は彼らの癖をとても良くとらえていた)がバグダッドに病院を建てては(復興支援活動)、それを破壊するという占領政策の実態を、主人公であるジャーナリストが国民にどう伝えるかで悩むという話である。劇中イラクにおける「劣化ウラン」問題、さらに復興建設資金で儲けるハリバートンの問題などにも触れ、私にとってはかなり嬉しい内容の芝居だった。しかもミュージカル仕立ての喜劇だから実に面白い。あの芝居で見ると、チェイニーは心臓が悪くペースメーカーを入れているらしい。ライスが自分の都合で器械を操作して何度もチェイニーを仮死状態にするシーンが繰り返された。

 観衆は静かに観ているのではなく、チェイニーのセリフに反応し、ブーイングで答える。結末は、主人公が「真実を伝えよう」と決心するところで終わるのだが、これを観ている限りではアメリカ人は想像以上にイラク占領の実態をわかっていると見た。この芝居が上演された数日後に選挙運動でオバマ氏が来たが、その熱狂たるやすさまじいものがあった。(最近の情報によると、オバマの選挙運動にオプラ・ウィンフリーが参加したらしい。12月9日のサウスカロライナの集会では彼ら二人を見るために2万9千人も集まった!!!)

 #オプラ・ウインフリーについてはここを参照(^^)

 それもこれもシリアスな今のイラクの状況を反映しているゆえんだ。今に始まったことではないが、「戦争」に対する日本と世界の温度差を私は痛切に感じる。イラクー日本の温度差だけでなく、アメリカー日本の温度差もかなり激しい。

 「伝える」ことは重要だ。政治的な言葉を並べるのではなくコミカルに風刺の効いた芝居で訴えるのは実に面白いし、かなり説得力がある。
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by reem-akemi | 2007-12-17 09:25 | 政治・経済・国際情勢