今日は英国議会の議事録からの思索。
下記のURLは英国議会の2003年3月18日のイラク攻撃についての議事録。
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200203/cmhansrd/vo030318/debtext/30318-06.htm
2003年3月18日、イラク攻撃開始2日前のこと、英国議会はブレア首相の「イラクを攻撃する軍事的理由」の説明に対するさまざまな質疑応答が繰り広げられた。興味のある方はじっくりと読んでいただきたい。A4版で250ページにも及ぶその経過がすべて読めるから。ブレアの言っていることは先日行なわれたチルコット委員会の証言と変わらないが。。。
さて、その中でも興味深いのは日本のイラク攻撃支持についての発言。ブレアはこう発言している。
If we pursue that course, when the threat returns, from Iraq or elsewhere, who will then believe us? What price our credibility with the next tyrant? It was interesting today that some of the strongest statements of support for allied forces came from near to North Korea—from Japan and South Korea.
テロに対する脅威が再び起き、我々が攻撃という手段を取ったなら、イラクや他の地域からの支持があるだろうか?どれだけ信頼性があるだろうか?今日、興味深いことがありました。北朝鮮にも近い日本と韓国から同盟軍に対して強い支持の声明が送られてきたのです。
確かに3月18日、小泉首相はブッシュの最後通告演説の3時間後に「武力行使を支持する」と明言している。ブレア発言が3月18日午後12時半過ぎ。ブッシュ、小泉、ブレア、三者が申し合わせたように3月18日にイラク攻撃支持を表明しているのは、あまりにも出来すぎてはいないか。私はそれに疑問を抱いてしまう。すでに戦争の段取りが出来ていたのだろうと。
英国は攻撃支持についての議論を10時間以上も議会で論じ合って決定したが、日本は一体いつ議論がされたのだろう?世界に向けて国家としての意思表明ならばそれなりの議論があってしかるべきだが、当時国会でそれに対して討議がなされたのか???閣議決定と聞いたことがある。だとしたら国家の方向性に対してあまりにも鈍感すぎはしないか?
3月18日の攻撃支持表明について私の疑問を整理すると
・攻撃支持の決定はいつなされたのか?閣議決定とすると、3月18日以前にあったのか?
・「同盟軍としての支持」だとすると、国会での議論を通さず戦争支持を決定する権限を首相が持っているのか?
小泉政権の最大の問題は、開戦前に戦争の段取りを米英とともにすでに行なっていたという事実だ。
その頃の新聞の見出しを観てほしい。世間がイラク攻撃についていろいろ意見を出していたとき「戦争」はすでに決まっていたのだ。
以下、2003年3月18日の各紙記事見出し
安保理決裂
国連への寂しき別れ
(朝日新聞、2003年3月18日、2面、社説)
イラク攻撃 是か非か
攻撃支持なら孤立する
ー共産党委員長 志位和夫氏
(朝日新聞、2003年3月18日、4面)
民間人保護
「追加議定書」早急に加入を
(朝日新聞、2003年3月18日、15面、私の視点)
イラク攻撃と世界(1)
なぜ今・・・
国際協調 可能性と限界
(毎日新聞、2003年3月18日、1面)
イラク問題とニッポン
攻撃に大儀。外務省は国民に説明を
ー衆院憲法調査会長 中山太郎さん
(毎日新聞、2003年3月18日、5面)
3国首脳声明
見切り開戦避ける努力を
(毎日新聞、2003年3月18日、5面、社説)
小泉首相とイラク攻撃
「世論なき力」は正義か
(毎日新聞、2003年3月18日、7面、記者の目)
新決議求めず
イラク攻撃への秒読みが始まる
(読売新聞、2003年3月18日、3面、社説)
平壌宣言半年
核の脅威をもてあそぶ「異常な国」
(読売新聞、2003年3月18日、3面、社説)
戦争回避へ最後まで努力を
(日本経済新聞、2003年3月18日、2面、社説)
イラク緊迫
百万分の一の望みでも
(東京新聞、2003年3月18日、4面、社説)
フセイン退陣
決断は数秒間で事足りる
(産経新聞、2003年3月18日、2面、社説)
夕刊
国連への期待しぼんだ10年
ブトロス・ガリ前国連事務総長と会見
米政権との親和性崩れ
(朝日新聞、2003年3月18日夕刊、13面、文化)
潮目を読む
「イラク戦争」と世界
混迷に向かう日米同盟 我部政明
「帝国」と国際秩序の際で 李鍾元
(毎日新聞、2003年3月18日夕刊、7面)
戦争支持という重大な決断が閣議決定で行なえるなら私たちは自分たちの知らないところで戦争に行くはめになる。
イラク戦争検証は日本の議会制民主主義のあり方を根本から問う可能性を持っている。
下記のURLは英国議会の2003年3月18日のイラク攻撃についての議事録。
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200203/cmhansrd/vo030318/debtext/30318-06.htm
2003年3月18日、イラク攻撃開始2日前のこと、英国議会はブレア首相の「イラクを攻撃する軍事的理由」の説明に対するさまざまな質疑応答が繰り広げられた。興味のある方はじっくりと読んでいただきたい。A4版で250ページにも及ぶその経過がすべて読めるから。ブレアの言っていることは先日行なわれたチルコット委員会の証言と変わらないが。。。
さて、その中でも興味深いのは日本のイラク攻撃支持についての発言。ブレアはこう発言している。
If we pursue that course, when the threat returns, from Iraq or elsewhere, who will then believe us? What price our credibility with the next tyrant? It was interesting today that some of the strongest statements of support for allied forces came from near to North Korea—from Japan and South Korea.
テロに対する脅威が再び起き、我々が攻撃という手段を取ったなら、イラクや他の地域からの支持があるだろうか?どれだけ信頼性があるだろうか?今日、興味深いことがありました。北朝鮮にも近い日本と韓国から同盟軍に対して強い支持の声明が送られてきたのです。
確かに3月18日、小泉首相はブッシュの最後通告演説の3時間後に「武力行使を支持する」と明言している。ブレア発言が3月18日午後12時半過ぎ。ブッシュ、小泉、ブレア、三者が申し合わせたように3月18日にイラク攻撃支持を表明しているのは、あまりにも出来すぎてはいないか。私はそれに疑問を抱いてしまう。すでに戦争の段取りが出来ていたのだろうと。
英国は攻撃支持についての議論を10時間以上も議会で論じ合って決定したが、日本は一体いつ議論がされたのだろう?世界に向けて国家としての意思表明ならばそれなりの議論があってしかるべきだが、当時国会でそれに対して討議がなされたのか???閣議決定と聞いたことがある。だとしたら国家の方向性に対してあまりにも鈍感すぎはしないか?
3月18日の攻撃支持表明について私の疑問を整理すると
・攻撃支持の決定はいつなされたのか?閣議決定とすると、3月18日以前にあったのか?
・「同盟軍としての支持」だとすると、国会での議論を通さず戦争支持を決定する権限を首相が持っているのか?
小泉政権の最大の問題は、開戦前に戦争の段取りを米英とともにすでに行なっていたという事実だ。
その頃の新聞の見出しを観てほしい。世間がイラク攻撃についていろいろ意見を出していたとき「戦争」はすでに決まっていたのだ。
以下、2003年3月18日の各紙記事見出し
安保理決裂
国連への寂しき別れ
(朝日新聞、2003年3月18日、2面、社説)
イラク攻撃 是か非か
攻撃支持なら孤立する
ー共産党委員長 志位和夫氏
(朝日新聞、2003年3月18日、4面)
民間人保護
「追加議定書」早急に加入を
(朝日新聞、2003年3月18日、15面、私の視点)
イラク攻撃と世界(1)
なぜ今・・・
国際協調 可能性と限界
(毎日新聞、2003年3月18日、1面)
イラク問題とニッポン
攻撃に大儀。外務省は国民に説明を
ー衆院憲法調査会長 中山太郎さん
(毎日新聞、2003年3月18日、5面)
3国首脳声明
見切り開戦避ける努力を
(毎日新聞、2003年3月18日、5面、社説)
小泉首相とイラク攻撃
「世論なき力」は正義か
(毎日新聞、2003年3月18日、7面、記者の目)
新決議求めず
イラク攻撃への秒読みが始まる
(読売新聞、2003年3月18日、3面、社説)
平壌宣言半年
核の脅威をもてあそぶ「異常な国」
(読売新聞、2003年3月18日、3面、社説)
戦争回避へ最後まで努力を
(日本経済新聞、2003年3月18日、2面、社説)
イラク緊迫
百万分の一の望みでも
(東京新聞、2003年3月18日、4面、社説)
フセイン退陣
決断は数秒間で事足りる
(産経新聞、2003年3月18日、2面、社説)
夕刊
国連への期待しぼんだ10年
ブトロス・ガリ前国連事務総長と会見
米政権との親和性崩れ
(朝日新聞、2003年3月18日夕刊、13面、文化)
潮目を読む
「イラク戦争」と世界
混迷に向かう日米同盟 我部政明
「帝国」と国際秩序の際で 李鍾元
(毎日新聞、2003年3月18日夕刊、7面)
戦争支持という重大な決断が閣議決定で行なえるなら私たちは自分たちの知らないところで戦争に行くはめになる。
イラク戦争検証は日本の議会制民主主義のあり方を根本から問う可能性を持っている。
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by reem-akemi
| 2010-02-25 09:41
| iraq